「H2」は名作「タッチ」以上に野球を堪能できる漫画だと思う【感想・レビュー・ネタバレなし】

 

 
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週刊少年サンデーで1992年から連載されていた
人気漫画「H2」(作者:あだち充)について
感想(レビュー)を語ると同時に
「H2」の素晴らしさや印象的だった点

などを話していきたいと思います。
(極力ネタバレのない形で話をしていますが、紹介上、若干のネタバレがある点はご容赦下さい)

また「H2」はどのあたりが特徴的なのか?
どのあたりが面白いところなのか?

「H2」の魅力も含めて語っていきたいと思います。

 

 

今回取り上げる漫画は

「H2」

です。

この漫画は1999年に終了しているので
オンタイムで読んでいた人は
そこそこの年齢になっていると思いますが

名作「タッチ」に続いてあだち充さんが書き上げた漫画として
多くの人に愛された漫画です。


(あだち充さんの代表作 タッチ)

 

と、いう事で

まずはこの漫画が、どんなジャンルの漫画なのかを説明していきましょう。

この漫画のジャンルは「スポーツ漫画」です。

 

そして「H2」はスポーツ漫画の中でも
「野球」を扱った漫画です。

 

野球漫画と言えば、古くからスポ根路線のテイストが多いですが
そこは天下のあだち充さんの作品

スポ根全開といった暑苦しさはありません。

「H2」の前にリリースされた作品「タッチ」は
野球漫画というよりも青春漫画のテイストが強かったですが

「H2」はタッチよりも野球漫画っぽさを前面に出した漫画に仕上がっています。

 

そして、あだち充ワールドと言える独特の世界観があります。

 

という事で、「H2」がどんな漫画なのか?
そして、どんなところが面白い点や素晴らしい点

「H2」の魅力や世界観について存分に語っていきましょう。

 

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「H2」はどんな作品?

「H2」は週刊少年サンデーで連載されていた人気漫画です。
ジャンルはスポーツ漫画(野球漫画)
作者はあだち充
コミックスは全34巻が発刊されています。

 

作者:あだち充
出版社:小学館
掲載誌:週刊少年サンデー
掲載期間:1992年32月~1999年50号
巻数 全34巻

 

 

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「H2」の概要とあらすじ

主人公の国見比呂(くにみ ひろ)は
中学校時代に地区大会で二連覇を果たす原動力となった投手で
その将来を期待される有名な選手でしたが

あと3ヶ月投げ続けると肘が壊れると医者に診断され
野球の道を断念、野球部のない千川高校へと進学しました。

そして、比呂とバッテリーを組んでいた野田敦(のだ あつし)も
腰に爆弾を持っていると診断されて
比呂と同じく野球への道を断念して千川高校へ進学しました。

 

一方、比呂と同じだけの評価を得ていたスラッガー
橘英雄(たちばな ひでお)は特に医者からの
体の異常を訴えられることはなく
野球の名門である明和第一高校へ進学し、甲子園を真っ直ぐに目指していました。

 

千川高校ではサッカー部に入っていた比呂ですが
野球同好会との試合でサッカー部員に舐めた態度を取られたことで
静かな怒りと闘志を表に出してサッカー部を退部

野球同好会へと入部をすることになりました。

同好会とサッカー部の試合を観戦していた野田敦も
成り行きで野球同好会へ入部します。

 

そんな、比呂と野田に衝撃的なニュースが舞い込みます。

比呂と野田にドクターストップをかけた医者が
ヤブ医者だという事が判明します。

違う病院で肘を見て貰った比呂、腰をみて貰った野田は
共に全く異常がない事を医師から告げられたことで
再び野球への道を志します。

 

果たして、比呂と野田が率いる千川高校は
野球同好会を部へと昇格させ、甲子園に出場出来るのか?

比呂と同じ高校に入り、野球同好会のマネージャーである古賀春華との
恋の行方はどうなっていくのか?

 

野球漫画と青春漫画の要素が絶妙に混ざり合った青春野球漫画

 

全体の概要・あらすじはこんな感じです。

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「H2」と検索して下さいね。

 

ストーリーを説明してしまうと

「医者がヤブ医者だった」とか

「サッカー部が野球をバカにして比呂が怒った」

というような文言になってしまうんですが

文言のような重苦しさがない軽快な漫画になっています。

ちょっと適当に見えるような設定ですが
あだち充さんが描くとすごく爽やかになるんですよね~

という事で、そんな「H2」の
素晴らしさと面白さについて、語っていきたいと思います。

 



 

「H2」のここが凄い!

あだち充作品の中では野球色が強く展開が面白い!

「H2」はあだち充さんが描いた漫画で

過去には「タッチ」という野球漫画(週刊少年サンデー)、

現在では「MIX」という野球漫画(ゲッサン)

という野球漫画を描いています。

 

テイストとしては似たような形なんですが

「H2」の最大の特徴は

”野球色が強い”

という事が言えます。

 

「タッチ」などを見ていると
序盤の方は野球に関する描写が少なくて

青春漫画としてストーリーが続いていく感じなんですが
「H2」は割と序盤から”野球”が全面に出ているんですよね。

どっちがいいというのはなくて、後は好みになると思いますが

スポーツ漫画が好きな私にとっては

「H2」の方が面白いんですよ。

 

というのも、

あだち充さんの試合展開を描くセンスが凄いんですよ!

 

あだち充さんは

青春漫画を描くのが上手い漫画家さん

というイメージがあると思うんですけど

試合展開の構成も素晴らしいです!!

 

スポーツ漫画好きな私は、

過去に色々な野球漫画を見てきましたが

ベタな野球漫画って

対戦相手にスター選手がいて、特技(必殺技的な)があって

身内に大きなトラブル(精神的なものも肉体的なものも合わせて)があって

必ず接戦になって、身内が苦戦しながら、最後に勝つ

 

このパターンに決まっているんですよね~

 

まあ、読んでいる人が楽しめるフォーマットと言えばそうなので

普通に楽しむ事が出来るんですが、何か突き抜けてこないんですよ。

だけれども、「H2」で描かれえている試合展開は
野球漫画のフォーマットに捕らわれていないのにも関わらず

凄く面白い試合を見せてくれるんですよ。

 

そして、妙に重々しくない!!

これが素晴らしいんですよ!!

 

野球漫画に限らずですが、スポーツ漫画って

試合が始まってしまうと ”妙な間延び感” が出てきません?

熱い試合なのは分かるけど、早く結果出てくれないかなぁ

って思っちゃうんですよ、私は。

 

その間延び感というか重々しさがないんですよね~

このあたりのセンスというか感性は本当に素晴らしい!

 

野球漫画が好きという人には是非読んで貰って
違いを体験してほしいですし

「スポ根漫画が苦手」という人にも是非読んでほしい漫画です。

 




 

あだち充ワールド全開!大人のギャグを堪能してほしい!

「H2」は野球漫画でありながらも
比呂、英雄、ひかり、春華の恋愛模様を描いた
青春漫画であるとも言えます。

世の中には色々な青春漫画、恋愛漫画がありますが
あだち充さんの作品は凄く特徴があるんですよね~

 

その特徴は何かというと

”独特のやり取りや言葉遊び”

です。

 

比呂、英雄、ひかり、春華、この4人は連載開始当時は

高校1年生、つまり16歳です。

そんな16歳の若者たちなのに

やたらと大人びた表現やこねくり回した言い回しをするんですよね~

これは「タッチ」とか「MIX」でもふんだんに使われているので
「H2」でなくても十分に楽しめます。

 

「いやいや、実際の16歳はこんな会話しないから」

と、ツッコまずにはいられないくらいの言葉回しです。

 

例えば、こんな感じ

 

そして、こんな感じ

 

昭和を目一杯に感じられるようなやり取りでもありますし

大人を目一杯に感じられるようなやり取りでもあります。

 

このやり取りが面白いんですよね~

 

高校生でありながら大人の恋愛をしている

みたいな感じが伝わってきて
思わず漫画に引き込まれてしまいます。

 

読む側が大人ならもちろんすんなりと受け入れられるんですが

読む側のこちらが子供であっても不思議と
スンナリ受け入れられてしまうんですよね~

 

これが「あだち充ワールド」です

 

なんか、少年誌の恋愛漫画ってイマイチだよね~

と、思っている人には是非読んでほしい漫画です。

 



 

「H2」の全体評

「H2」は青春漫画の教祖ともいえるあだち充さんが描いた名作です。

ただ、あだち充作品の中では青春漫画よりも
野球漫画の側面を強くした感じなので

野球漫画が好きな人には十分に楽しめる作品です。

 

ですので、ゴリゴリのスポ根漫画が苦手だよ

という人には非常に読みやすい仕上がりになっていますし

老若男女問わず楽しめる作品になっています。

全体の構成、ストーリーがしっかりとした作品なので

あだち充さんの作品を読んだことがない人
「H2」を読んだことのない人には是非読んでほしい漫画ですね!

 

 

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