週刊少年サンデーで2007年から連載されていた
人気漫画「魔王 JUVENILE REMIX」(原作:伊坂幸太郎、漫画:大須賀めぐみ)について
感想(レビュー)を語ると同時に
「魔王 JUVENILE REMIX」の素晴らしさや得られる人生の教訓
などを話していきたいと思います。
(極力ネタバレのない形で話をしていますが、紹介上、若干のネタバレがある点はご容赦下さい)
また「魔王 JUVENILE REMIX」はどのあたりが特徴的なのか?
どのあたりが面白いところなのか?
「魔王 JUVENILE REMIX」の魅力などについても改めて語っていきたいと思います。
Contents
今回取り上げる漫画は
「魔王 JUVENILE REMIX」
です。
「魔王 JUVENILE REMIX」は2007年から連載されていた漫画です。
つい最近までやっていたような印象をもっていましたが
既に連載が終了してから10年が経つんですね~
(連載終了は2009年)
まず最初にジャンルの説明をしておきましょう。
この漫画のジャンルは「サスペンス漫画」です。
殺人事件を取り扱っている訳でもなく
ホラーテイストがある訳でもなく
王道の「サスペンス漫画」
という感じですね。
週刊少年サンデーの漫画のラインナップを見てみると
割とアクの強くない漫画が多いなぁという印象を持っていましたが
この魔王という漫画はなかなかインパクトがある漫画なんですよね~
というのも、「魔王 JUVENILE REMIX」は原作が小説なんです。
『重力ピエロ』や『ゴールデンスランバー』などを書いた
伊坂幸太郎さんが書いている小説なので
漫画にはないスリル感が味わえるんですよね~
ただ、小説に準じた漫画なのかというとそうでもありません。
「魔王 JUVENILE REMIX」の最終巻の巻末で
伊坂幸太郎さんが話していたんですが
漫画を書いている大須賀めぐみさんが独自のアレンジを加えていて
小説「魔王」とはテイストが変わっているんですよね~
私は小説の「魔王」は読んだことがないので
明確な違いは分からないのですが、
漫画「魔王 JUVENILE REMIX」は面白かったんですよ。
という事で「魔王 JUVENILE REMIX」がどんな漫画なのか?
そして、どんなところが面白い点や素晴らしい点
「魔王 JUVENILE REMIX」の魅力について存分に語っていきましょう。
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「魔王 JUVENILE REMIX」はどんな作品?
「魔王 JUVENILE REMIX」は週刊少年サンデーで連載されていた人気漫画です。
ジャンルはサスペンス漫画
原作は伊坂幸太郎、漫画は大須賀めぐみ
コミックスは全10巻が発刊されています。
原作:伊坂幸太郎、漫画:大須賀めぐみ
出版社:小学館
掲載誌:週刊少年サンデー
掲載期間:2007年27号~2009年30号
巻数:全10巻
「魔王 JUVENILE REMIX」を無料で読むには
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「魔王 JUVENILE REMIX」の概要とあらすじ
主人公の安藤(あんどう)は普通の高校生でしたが
ちょっと変わった一面を持っていました。
それは自分は超能力者(超能力者的な力がある)と思っていた事
その話を同級生にした事で
クラスの中でも浮いた存在となっていました。
また、一度考え出すと周りが見えなくなってしまうので
うまく友人関係を保つことが出来ずに
幅広い交友関係を持てていませんでした。
そんな安藤には弟の潤也(じゅんや)がいました。
潤也は兄である安藤と違い、社交的で友人の多く
彼女もいる明るい青年です。
そんな安藤と潤也は両親がおらず、二人で生活をしていました。
何に対しても合理的に考える安藤は
周りでトラブルが起きても関与しようとはしません。
しかし、そんな安藤の前に一人の男が現れます。
その男の名前は犬養(いぬかい)
犬養は圧倒的なカリスマ性を武器に
グラスホッパーという自警団を設立
町のチンピラ退治など精力的に動き
安藤が住む猫田町を良くしようという活動をしていました。
犬養は誰もが尊敬の念を抱く存在としてあがめられていました
安藤は犬養が持つ「自分の正義を貫く姿勢」に違和感を感じ始めます。
どんどん勢力を広げる犬養に対して
その暴走を止めないといけないという気持ちに駆られてきます。
そんな安藤には隠れた能力がありました。
自分の喋ったことを相手に喋らすことが出来る「腹話術」です。
暴走気味に正義へ向かって邁進する犬養に対して
安藤は「腹話術」を使い、なんとか犬養を止めようと戦い始めます。
果たして安藤は犬養を止める事が出来るのか?
安藤と犬養にはどのような未来が訪れるのか?
SF的な要素を取り入れつつも
安藤が持つ正義と犬養が持つ正義が真っ向衝突し
正義について考えされられる社会派のサスペンス漫画
全体の概要・あらすじはこんな感じです。
小説をベースにした作品ですから
全10巻と読み切るサイズとしてはちょうどいいんですよね~
私が思う漫画の面白い条件として
「適度な長さ」と「適度なストーリー展開」
は欠かせないと思っています。
いくら面白い要素があっても
ダラダラと続いてしまってたら面白さは半減しますし
ストーリーが全然進まないとつまらなくなってしまいます。
そういった意味で「魔王 JUVENILE REMIX」は
ちょうど良いボリュームとちょうどいい展開スピードを持っているので
とてもよみやすい漫画なんですよね~
という事で
「魔王 JUVENILE REMIX」の面白さについて
これからたっぷりと語っていきましょう。
「魔王 JUVENILE REMIX」のここが凄い!
ストーリーの展開力が凄い!
私が「魔王 JUVENILE REMIX」を序盤を読んでいた時は
なんだか安っぽい設定だなぁ
と、思っちゃったんですよね~
犬養がカリスマ性を持っている人物である事を描きたかったんでしょうが
民衆がカルト教団のように何も考えずに犬養のいう事に服従してしまうし
主人公の安藤も今までは現実の問題に無関心だったのに
なんで急に犬養の事だけは止めようとするの?
というような理屈が通っていないことばかりで
なんか全部がとってつけたような感じだなぁ
なんて思っていたんですよね~
「いやいや、その心理描写はないでしょ!」
とか、
「その力(勢力や心理)の動き方はないでしょ!」
と心の中でツッコミを入れながら漫画を読んでいたんですが
途中から
「えっ!そんな感じになっちゃうの!?」
というようなストーリー展開の驚きの方が
上回ってきたんですよね~
少年漫画だし、この手の漫画は大体こうなるんでしょ?
なんて、思いながら「魔王 JUVENILE REMIX」を読んでいたんですけどね~
いやいや、完全に裏切られました!!
漫画を読んでいて、ここまで裏切られることって、まあないですよ。
これは原作が小説である事が影響しているんでしょうね~
少年漫画ってなかなか捨てられないですよ。
他の少年漫画を見てみると
一度死んだと思ったキャラクターが蘇ることが多いように
読者の要望に応えてか、なかなかキャラクターとかを切れないし
ストーリーも守りに入ってしまうんですけどね。
「魔王 JUVENILE REMIX」は違いますよ
大胆なストーリー展開を見せてくれますし
キャラクターも目が離せません。
この大胆な作りが「魔王 JUVENILE REMIX」という作品を
面白い作品へと昇華させてくれています。
途中からどんどんと上がってくるので
是非とも最後まで見てほしい作品ですね~
正義と正義のぶつかり合いは見どころ満載!
あらすじのところでも説明をしましたが
「魔王 JUVENILE REMIX」は
犬養が持つ正義と安藤が持つ正義が戦う漫画です。
どの漫画でも描かれがちですし
現実問題としてもたびたび起こりうることですが
この正義vs正義の戦いが見物です。
犬養は「毒を以て毒を制す」という思考の持ち主
人を傷つけるもの、地域にとって悪となるものを
(物語ではデフォルメして描かれているので分かりやすい悪ですが)
退治するためなら、こちらも傷つけるのは仕方なし
という思想
安藤は「毒を以て毒を制してはいけない」という思考の持ち主
いくら相手が悪かったとしても
こちら側から相手を裁いてはいけない。
という感じです。
日本の国防とかでも、この対立はみられますけどね。
どっちも国の事、社会の事、周りの事を考えた「正義」なんですよね~
漫画の中では安藤が主役、犬養が敵役という事で
犬養が悪いかのように描かれていますが
物語の結末を見ると
あながち”犬養だけが悪”とは決めていないんですよね~
このあたりの結末のつけ方が絶妙なんですよね。
「どっちかが正しい」と決めるのではなく
どっちに意見もあるよね
という前提で物を考えることが必要なんだなぁ
と考えさせてくれます。
キャラクターやサブとなる群衆が結構極端なので
ちょっとやりすぎ感もありますが
サスペンスに加えて、考えさせられる社会的要素が入っている点は注目ですね。
「魔王 JUVENILE REMIX」の全体評
「魔王 JUVENILE REMIX」は序盤はちょっとチープな感じで
キャラクターが描かれていたり、ストーリーが進んでいきますが
途中から見せる大きなストーリー展開は見事の一言です。
先の読めない脚本は小説ならではのクオリティーですし
思想面についても踏み込んでいるので、読み応えのある漫画だと言えます。
「魔王 JUVENILE REMIX」は十分に楽しめる漫画ですよ。
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