漫画「殺し屋1(イチ)」の人智を超えた世界観を語る【ネタバレなし】

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週刊ヤングサンデーで1998年から2001年まで連載されていた
人気漫画「殺し屋1(イチ)」(作者:山本英夫)について
感想(レビュー)を語ると同時に
「殺し屋1(イチ)」の素晴らしさや人生の教訓などを話していきたいと思います。

(極力ネタバレのない形で話をしていますが、紹介する上で若干のネタバレがある点はご容赦下さい)

 

 

今回取り上げる漫画は「殺し屋1(イチ)」です。

 

感想を話す前に一つお話ししておきたいのですが
この漫画はR指定が必要かなぁというくらい
過激な内容の漫画になっています。

ヤクザと殺し屋の抗争を描いており、殺すシーンや拷問するシーンなどがあるのですが
その描写はリアリティーがあり、かなりグロいものになっています。

まあグロいといっても個人差はありますので、平気な人は平気です。
ちなみに私は全く平気でした。

平気というかむしろスリリングで楽しさが増す感じだったので
そこまで身構える必要はないと思います。
バイオレンス系は苦手かなぁという人は見ない方がいいというレベルですね。

そのあたりは好き嫌いがあると思うので個々で判断して欲しいのですが
リアルな描写の裏には
しっかりとしたコンセプトや世界観と、緻密なストーリーがある漫画です。

「殺し屋1(イチ)」の魅力はここなんですよね。

ストーリー、そして世界観が絶妙なので、読んで損はありません。
というか、絶対に読んでほしい作品です。

そんなアクの強い作品「殺し屋1(イチ)」の魅力を伝えていきましょう。

 

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殺し屋1(イチ)はどんな作品?

殺し屋1(イチ)は週刊ヤングサンデーで
1998年から2001年まで連載されていた人気漫画です。
ジャンルはバイオレンス(サスペンスの要素も多分にあります)
作者は山本英夫先生、連載は既に終了しておりコミックスは全10巻です。

作者:山本英夫
出版社:小学館
掲載誌:週間ヤングサンデー
掲載期間:1998年12号~2001年18号
巻数:全10巻




 

殺し屋1(イチ)の概要とあらすじ

新宿を舞台にヤクザ同士の抗争を描いた作品。

謎の「ジジイ」一派に雇われた殺し屋1(イチ)が
新宿のヤクザ安生組の親分を暗殺するところから舞台はスタートします。


(左が殺し屋イチ)

ジジイ達の巧妙な後処理によって死体を処理されたことで
安生組長は生死不明の行方不明状態になり
安生組の若頭である垣原は安生の行方を必死に追う中で
知っていく殺し屋イチとジジイ一派の存在。


(安生組の若頭である垣原)

追いかける垣原軍団と逃げるジジイ一派
そして逃げるジジイ一派が雇った殺し屋イチが
垣原達の喉元をかっきろうとヒタヒタと迫る

果たしてジジイ一派と垣原達はどちらが生き残るのか?
垣原達を潰しに掛かるジジイの真の狙いは何なのか?

ヤクザ同士が織りなす究極のアウトロー抗争には
最後に誰もが予想だにしないどんでん返しの結末が待っていた。

全体の概要・あらすじはこんな感じです。

こうやって言葉を並べるとハードボイルドな作品のように感じますが
随所に「殺し屋1(イチ)」特有の変態ぶりが発揮されています。

まずスタートであるイチの殺しのシーン

殺しの手口は凄まじいのですが
子供のようのワンワン泣き散らかしながら安生を殺害

そして、殺害した後に興奮して射精するという
「なんとまぁ、こんな設定思いつくなぁ」
というところから物語が始まっているんですよ。

垣原とジジイ一派の戦いも、とにかく尋常じゃないんです。

特に垣原という人物の異常ぶりは他の漫画でも類をみないもので
コイツがいることで「殺し屋1(イチ)」が格段に面白くなっています。

まあ、そのあたりの魅力を語っていきましょう。




 

殺し屋1(イチ)のここが凄い!!

アウトレイジを超えた!登場人物全員が悪人で全員が変態

北野武監督の映画『アウトレイジ』のキャッチフレーズに
「登場人物、全員が悪人」という言葉がありましたが

殺し屋1(イチ)に登場する人物も全てが悪人です。

そして悪人を超えて全ての登場人物が変態です。

作品中のナンバーワンの変態と言えば
安生組の若頭「垣原雅雄」です。

垣原の変態ぶりを一言で表現すると

「ドM」

です。

自分が痛みを受けることが大好きで
拷問されることをこよなく愛しています。

私はMっ気のない人間なので、よく分からない世界ですが

Mって本当にこんななの?

いやいや、さすがにMといってもここまでの変態はいないでしょ

と思わずにはいられないほどのドMっぷり

安生組長が死んでしまったと分かったときも
「俺に拷問してくれる人がいなくなった」と
嘆き悲しんでいる様はただのバケモノです。

そして垣原の最大の特長は「口」です。

垣原は顔中にピアスをしているのですが
口につけたピアスは避けた口をつなぎ合わせる為に使われているという変質者ぶり

避けた口を披露した垣原の姿は恐怖以外の何者でもなく
漫画を見ているだけにとにかくハラハラさせられます。

そして続く変態キャラは垣原の舎弟である
「二郎」と「三郎」です。

二郎と三郎は三つ子なのですが
とにかくお互いに対するライバル心が強く
常にどちらが上かを競い合っています。

それだけを聞くとポジティブに聞こえますが
この張り合い方が常軌を逸しています。

女性と4Pセックスを行った後
どっちの方が良かったかを相手女性に質問して
自分を指名されない事で相手を殺してしまう。

殺してはダメと言われているのに
どちらの拷問がより相手にダメージを受けるかを張り合い
殺してはいけない相手を殺してしまう。

など、張り合い出すととにかく手をつけられません。

いずれは兄弟を殺して自分の方が優れていると証明したいとも思っているくらいの
変態キャラであり、危険なキャラです。

この二人も見ているだけでとにかくハラハラしますし
自分は漫画を見ているだけなのに「痛っ!!」という気持ちにさせられます。

そして、御大の登場。

主人公のイチ(本名:城石一)は変態さではナンバーワンのキャラでしょう。

なんといっても「人を殺すと射精する」という性癖は
変態揃いの「殺し屋1(イチ)」の中においても

“コイツさっぱり訳分からんランキング1位”

の存在感です。

また、学生自分にいじめられた過去を持っているイチは
殺すのターゲット(人)を過去にいじめられた人物を重ね合わながら犯行に及びます。

その姿は純粋で無邪気。

完全に人格が分裂した変態殺し屋の殺害に及ぶまでの行為は
最高にハラハラさせてくれます。

「妄想」「泣き虫」「異常性癖」「最強」「弱虫」「精神分裂」

これらを組み合わせた人間がイチです。

どうですか!このキャラクター!

訳分からないでしょ?

こんなキャラクターが主役になっているところが
「殺し屋1(イチ)」の凄さです。

それ以外にも

薬物中毒症で死体をこよなく愛する井上や
ヘルス嬢に貢がせながら本気で愛している中国人の龍
DVを受けることに史上の喜びを感じるピンサロ嬢など

「普通の漫画で一人いればもうおなかいっぱいでしょ」

という変態キャラのオンパレード。

濃厚でドロドロとした世界を生み出すのに一役買っています。

こんな世の中だったら救いようがないよなぁと思いながらも
ついつい引き込まれてしまう殺し屋1(イチ)の登場人物への
キャラクター設定は感動すら覚えます。

 

グロさを全て解放、拷問シーンも殺人シーンも一切の手抜きなし

殺し屋1(イチ)は文字通り殺し屋が主人公の漫画です。

冒頭でも話した通りヤクザ(安生組)とチンピラ(ジジイ一派)との抗争を描いた作品なので
血生臭い抗争の中で殺人のシーンが出てきたり
捕まえた相手に対して拷問をするシーンが出てきます。

この殺人シーンや拷問シーンに一切の手抜きがありません。


(殺し屋イチは映画にもなりました)

男性のシンボルを刃物で半分に切ったり
裸になっている人間に沸騰させた油をかけたり

と、漫画を直視出来ないようなシーンにたびたび出会います。

多くの人に受け入れられる漫画を作ろうと思った時に
普通であれば過激な表現は避けるはずですが
殺し屋1(イチ)にはそんな香りがまったくありません。

こういった表現が苦手なら最初から読まなくて結構

といわんばかりの作者の声が聞こえてきそうなほど
漫画上ではリアルでグロい表現が出てきます。

この手抜きなしの表現により、読めなくなる人は出てくると思いますが
逆にハマる人はどっぷりハマれる内容になっています。

「グロ系は大丈夫」「ホラー大好き」という人には是非ご賞味あれ!

 

グロさに隠れた裏に緻密で繊細なストーリーと見事な伏線回収

変態キャラやグロテスクな表現などが表立っている
殺し屋1(イチ)ですが、

なんといっても一番の見どころは

“緻密で繊細なストーリー展開”

です。

この作品の素晴らしさはここに尽きるといっても過言ではありません。

作品を読んでいて

「あれっ?なんでこのキャラはこんな行動を取ったんだろう?」

と思う点がいくつか出てくる殺し屋1(イチ)ですが
その行動が最後には全て一本の線に繋がってきます。

複雑に絡み合ったストーリー展開をまとめる力と
序盤でばらまかれた伏線を回収するさまは見事の一言です。

なかなか、ここまで種まきと回収が上手い漫画家はいないかもしれません。

いろいろと過激な表現が多い漫画ではありますが
最終巻である単行本10巻を読み終えた後は
その伏線回収の見事さとストーリーを収束させる作者の力に清々しさすら覚えます。

最終局面でのどんでん返し
そして、最後に明かされる伏線の回収

途中までにあった過激な表現を忘れて
上質な小説を読んだような気持ちにさせてくれるほどの完成度は
現代の漫画でも随一の構成力です。

この構成は一読の価値ありです。

 

殺し屋1(イチ)の全体評

殺し屋1(イチ)は取り上げている題材と
その表現から読む人を選ぶ漫画になっています。

ホラー、サスペンス、過激な表現が嫌いな人にとっては
読まない方がいい作品だと思いますが
アクの強い作品を読みたい人、ホラー、サスペンスが好きな人にとっては
上質で最高の作品に仕上がっている漫画です。

またアクの強さだけではなく、人間の心理模様を実に見事に描いています。

ヤクザ同士の抗争の中で好き勝手暴れる垣原
そして、その垣原に対して為す術のない周りの他の組の有様は
北朝鮮と周りの大国の姿とダブってきます。

本音、建て前、執念、怨念、怒り、嘆き

これらの心理描写をうまく描いた作品であることも
殺し屋1(イチ)をより魅力的にさせている一因となっています。

完成されたストーリー、そして人間の奥に潜む様々な
心模様が楽しめる漫画になっているので
自信をもってオススメ出来る漫画です。

興味のある方は是非読んで下さい。
 

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